広島

広島に行く方法を調べている。こんな状況下だし、今すぐに行くわけではないけれど、なんとなく、終息してどこかに行けるようになったとしたら、真っ先に行きたいのが広島だった。

広島には3回行ったことがある。小学校の修学旅行で広島市に行ったのと、小学生の頃やっていたソフトボールの全国大会で呉市に行ったのと、尾道市立大学オープンキャンパス尾道市に行った。

ほかに3回も足を運んだ場所はないので、せっかくなら広島以外の場所に行けばいい、という感じではあるけれど、あの地形とか空気とか、雰囲気が好きで、広島には何回でも行きたいと思っている。

小学校の修学旅行では、当時仲が良かった女子のグループで平和記念公園の中を散策したことを覚えている。全校生徒で折り鶴を折って、千羽鶴にして、平和記念公園に寄贈する、ということをした。

修学旅行のコースは毎年一緒なので、姉から広島平和記念資料館の中は怖いと聞いていたから嫌だなあと思っていたけれど、実際には授業で習った内容よりもっと詳しい資料などがあって、ずっといろんなものを見ていた。

呉市に行ったのはソフトボールの全国大会に行った時で、わたしはベンチ組だったので試合にそこまでの興味がなく、グラウンドが黒土でユニフォームを洗うのが大変だと保護者たちが愚痴っていたのを覚えている。

3試合目くらいで、もう負ける、という話になり、ベンチの子たちも思い出作りに出場しなさい、と言われて、何回も選手交代をする中で、わたしは監督に声をかけられないまま試合が終わった。チームで試合に出れなかったのはわたしだけだった。

そんな感じだったので、みんなが負けて泣いている中で泣くことができず、泣いているフリをした。そのことをわたしは最近まで忘れていたけれど、この前数年ぶりにソフトボール時代の友達と集まった時にレギュラーで活躍していたチームメイトから「あの時、あんたが泣いてるの見て、めっちゃいい子やなって思った」と言われて、苦いものがあった。

負けた翌日に大和ミュージアムに行く機会があって、わたしはソフトボールよりもそちらのほうがよほど楽しかった。

わたしが本当に泣いたのは帰りのバスの中で、監督やコーチに1人だけ呼び出されて、「試合に出してあげられなくてごめんな」と真剣に謝られた時だった。試合に出られなかったことより、大人が真剣に謝らなくちゃいけないようなことだったんだ、ということに泣いた。後から知ったことだけれど、監督は母親にも謝っていたらしい。

尾道に行ったのは、18歳くらいのときだったと思う。高校を中退した後、それでも大学には進学したいという気持ちを抱いていたので、ではどこの大学に行きましょうか、という話になり、尾道市立大学が候補に上がった。尾道市立大学は小説を学ぶことのできる学科があった。

尾道市の山の中にあるキャンパスは人が少なく、敷地内に久山田水源地があった。自分が住んでいた大阪の片田舎よりも、さらに自然の多いところだな、と思ったのを覚えている。あと、野良なのか飼われているのか曖昧な猫がたくさんいて、みんな人懐こくてかわいかった。

大学の近くにある女子寮にも足を運んで、部屋を案内してもらった。実際に住んでいる女子学生に会うことはできなかったけれど、「ここに住んでるのはみんないい子なんです」と言われて、毎日「いい子」と共同生活を送るのはしんどそうだな、と思った。

忘れられないのは市街に出て駅に行ったときに見た光景で、目の前に瀬戸内海が広がっていて、振り返れば緑の濃い山々があって、少し先を見れば島もある。まさに、なんでもあるじゃん、みたいな状況で、制服を着た学生が方言を喋っていて、なんて素敵なところなんだろうと夢中になった。

結局、冬にセンター試験を受けるのが怖くなって雪を理由に逃走したため、尾道市立大学は受けていないし、受けたとしても受からなかったはずだ。

広島市と、呉市尾道市以外は行ったことがないし、その3つも満足に回れたわけではないので、いつかゆっくり回ってみたいし、いつか住むなら広島がいいなあ、とぼんやり思っている。

ぼんやり好きなだけで、あんまり詳しくないので、おすすめの場所があったら教えてください。